SUP カヤック

大学生と伝える自然環境リテラシー学|三重県ヤングサポーター育成事業

ちょッと時間が経っての記事です。2021年度も、三重大学生向けの自然環境リテラシー学を開催しました。今回は、【三重県のヤングサポーター育成事業】としての自然環境リテラシー学についての報告。

三重県に縁ある若者が、三重県の自然の豊かさを知る、自然の流儀を知る、マナールールを知る、自然に関わる仕事を知る・・・そんな授業に関わらせてもらっています。

三重大学や三重県が関わるかなり特殊な授業「自然環境リテラシー学」「三重県ヤングサポーター育成事業」について。まずは、どんなことをやっているのか?は昨年の記事をご参考に。

そもそも自然環境リテラシーとは?という視点の記事。こんなことが大学の授業に!
三重県大台町のアウトドアにかかわる課題を伝えました
自然であそぶには流儀が必要…コロナ禍での先生たちの格闘も

リテラシーにふれた学生が次に伝えるリテラシー

こういう授業・事業の主役はもちろん、講義を受ける学生さん。でも、ベルデとしては、今年はもうひとつ別の目的をもってリテラシー学に関わらせてもらいました。


『自然環境リテラシー』とは、三重の豊かな自然環境を総合的に理解する能力、自然環境が私たちに与える影響を理解し、同時に私たちが自然環境に与える影響についての基本概念を理解する能力。そして、理解したことを他の人にわかりやすく正しく伝達し、三重の自然環境資源について広い知識を活用して、魅力の発信、環境を楽しみ、守り、持続的に保護していく、等、責任のある行動をとれることである。


新しいステップとして、この「伝える」という重要な役割を、去年大台でのリテラシーを受講した学生さんににチャレンジしてもらいました。・・・ということで、今年の大台でのリテラシーの主役は、この2人です。

【あゆみちゃん(19歳)】

あゆみちゃんは、大学1年次に大台のリテラシーに参加してくれた19歳の活発な女性です。とても人懐っこくて、ベルデのガイド陣にも可愛がられ、加えてタフなところが魅力。SUPや大台町、ベルデを気に入り、2021シーズンはガイドプログラムのお手伝いにきてくれました。SUPのガイド資格もとり、2022シーズンは本格的にガイドデビュー予定です。

「自然環境リテラシーで何を学んでどうしていくか」ということは恥ずかしながら私としては難しく、しっかりと理解できている気はしないので説明ができません(笑)
しかし、私が今回関わらせてもらった大台町でのプログラムの目的は少しわかった気がしたのでお話しできればなと思います。(noteより)

★あゆみちゃんのリテラシーについてのnote記事はこちら

【マノちゃん(21歳)】

マノちゃんは、三重大リテラシー学におけるリーダー的な存在です。運営に関わり、大台だけでなく全地域のリテラシーに参加し、カヤックも三重県内の海でしっかり漕いでいます。カヤックを愛する大学3年生。学生スタッフ以上のことに挑戦したい、と今回のリテラシーではベルデのインターンシップ生としての参加。

(このインターンの目的は)
・自分で1から自然体験プログラムを作ってみたかった
・自然ガイドとして食べていくということはどういうことなのか学びたかった
(noteより)

★マノちゃんのリテラシーについての記事はこちら

最初は、とにかくハッピー!な体験に

今回のリテラシーは、11月~12月の週末を中心に2日間×5回=全10日間の実施。スタートの11月は、ギリギリ…SUPができるということで、SUP三昧の2日間にしてみました。

この2日間はあゆみちゃんと。「どんなリテラシーにしたい?」「とにかく楽しい2日間を提供したい」という想いをもとに、「ハッピー!」をキャッチフレーズにしてSUPを思いっきり楽しんでもらいました。

あゆみちゃんには、2021シーズン、宮川でかなりお手伝いをしてもらっていたので、学生さんの前での説明もお手のもの。もう私はすっかりサポートに徹しています。

私たちの考える「リバティー」

12月の8日間は森にとまるプログラム。冬のキャンプを楽しみ、そこから何を学んでもらいたいのか? ここでも、スタッフの合言葉・コンセプト・メッセージを決めよう、とZoomミーティングで出てきた言葉は「Liberty(リバティ」。

2人で電話をしたりしながら話合いを進めました。
「大台ならではの空気感を楽しんでほしい」
「海とはまた違った安心感というか」
「けどキャンプ指定地とか、キャンプのルールについてもちゃんと触れたい」
「自由に、けどルールを守って的な…」
「自由っていうのもただ好き勝手、とかじゃなくて自分次第で自由に楽しめるようにするというか…」(noteより)

2回目から新たにキャッチフレーズを作りました。
「liberty 」
libertyもfreedomと同じ自由って意味ですが、freedomより能動的に不自由な状態から自由を自分で取りに行くという意味があるみたいで、
いつもより電波も届きにくくて寒い場所にいるけど、楽しむために自分で自由を見つけて欲しいなっていう意味を託しました!
あと自然の中で楽しむための最低限のルールを学んでほしい、守ってほしいっていう思いも!!(noteより)

本格野外活動の前にゲストハウスの庭でテント泊練習

体験やガイドツアー・授業を通して、何を感じ、学ぶかは主体者のゲストや学生さんの自由です。ただ、こうした体験を提供するガイドにとって、どんなメッセージを託すプログラムにするかは明確にもっているべきと考えています。哲学みたいなもの。これは、ガイドの人柄を通してガイドツアー中に滲み出て、ゲストに伝わるものでもあると最近特に思うところでもあります。

このコンセプト・メッセージがあゆみちゃん・まのちゃん・ベルデにしっかり共通したので、もうこの授業は成功したようなものです。私たちが誇るlibertyなリテラシーはこんなふうに進みました。

未来を拓く若者たち

こうしてベルデのTwitterをみていると、リラックスしてキャンプを楽しんでいるように見えますが、それは私だけ。

あゆみちゃんとマノちゃんが大活躍(ゲストガイドの森ガイドはもちろんスペシャルな活躍です)して、2021年のリテラシーをつくってくれました。

  • アウトドア初心者向け冬キャンプ
  • キャンプリテラシー
  • キャンプ飯づくり
  • クリスマスリースづくり
  • 総門山トレッキング
  • ロープワーク

盛りだくさん、おなか一杯の内容になったのは、彼女たちの想い分です。こうして彼女たちの想いがリテラシーの学生さんたちに伝わり、1人でも多くの学生さんにアウトドアやこの地域に想い・自然に対する節度ある行動とともにその楽しさを紡いでいってほしいな、と願っています。

アウトドアな仕事の存在意義と経済と

本事業は、「三重県ヤングサポーター育成事業」という名のもとでベルデとして若いアウトフィッターたちとチャレンジさせてもらった貴重な10日間でした。受託費を原資とし、彼女たちには、有料インターンシップとして企画運営を任せ、アウトドアに関わる仕事の一部を実行してもらいました。

今回のインターンシップを機に、あゆみちゃんとマノちゃんには、アウトドアな旅行会社Verdeにおける、あるいは彼女たちが繋がる社会における自分自身の「存在意義」と、「仕事=経済」を少しでも体感してもらいったかった。今回の受け取ったガイドフィーは彼女たちにとって高く感じるか、安く感じるか、当日の運営するためにどんな調整と準備が必要なのか、当然、当日の安全で楽しいプログラムの実行への責任も。

こんな一方的なベルデの想いを、未来を拓く若者たちへ伝える機会をいただいていることをとても感謝しています。三重大学の先生たち、参加の学生さん、ヤングサポーター育成事業に関わる皆様、貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

最後に、あゆみちゃん、マノちゃんの締めのことばを紹介します。

実習における自分のニーズとはなんなのか
それをもっと深く考えて行動しなくてはいけないなと思いました。プロのガイドの方がいる中での大学生の自分のニーズは、「実習生により近い立場で考え、動けること」だと思います。

1.2年前からアウトドアを初めて、一応先輩という立場ではあるもののまだまだアウトドア慣れしていない自分だからこそ、初めての冬キャンプでどういった点が不安か、初めての本格的な野外調理で何が困ったかなど、初心にかえって受講生の皆さんに寄り添うことが大切で、自分が実習に参加している意義だと思います。

そして最後にこのプログラムを通して思ったことはとりあえずやってよかった!ってことです。本当に最初はお金もらえるならやりたーいとかいうかっるい気持ちでしたが、ちゃんとした楽しさを味わえたし、たくさんのことを経験させていただけたと思っています。

そして私が思う大台町でのリテラシーではキャッチフレーズそのまま自然に対してどん欲に楽しさを求めつつもルールを学び守ること。
そして自然の価値を分かってその対価をはらえる人間になることなのではないかなと、私個人の考えではありますがそう思いました。

アウトドアの初心者から上級者までさまざまなフィールドを楽しむことができる三重県大台町。ひとりでも多くの人がスポーツジムへ行くような感覚で何度も訪れたいと思ってもらえるエリアになると嬉しいです。

アウトドアレジャーやスポーツがだれにとっても身近なものとなり、豊かな自然からエネルギーをもらうことで幸せな人生を送れますように。そして、私たちのガイドは、このアウトドアライフが「お仕事」になるような活動を続けていきたいと思います。

最後までお読み頂き,ありがとうございました。

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