ベルデの講演・出張イベント活動のご報告
三重県大台町のアウトドア旅行会社「ベルデ大台ツーリズム」では、講演活動や外部イベントに出張してのガイド・インストラクター活動にも取り組んでいます。今回のブログでは、2022年度の活動について簡単にご報告。アウトドアライフを『お仕事』にするうえで、ベルデが大切にしていることをお話しします。
都市の港でのSUPイベントをお手伝いしてきました!
★★★この記事のもくじ
三重県四日市のSUPイベント立ち上げをお手伝い
三重県大台町をアウトドアフィールドに、清流宮川でのSUPやカヤックツアーを開催しているベルデですが、アウトドア事業者・ガイドの経験値を買われ、他の地域からお声がかかることがfあります。2022年にお話をいただいたのが、三重県四日市で始まった港を中心とする賑わい創出の取り組み「よっかいちBAURA」立ち上げのお手伝いです。
とはいえ「よっかいちBAURA」自体は5ヶ年計画の大きなプロジェクト。今回ベルデがお手伝いしたのは、10月16日(日)に開催されたスタートアップイベント「Yokkaichi BAURAミーティング」のなかのいちプログラム、「納屋運河の水路でSUP体験」のガイディングでした!
ご存じの方も多いと思いますが、四日市といえば三重県で最も人口が多い都市。四日市港にコンビナートが立地する工業都市で、近年では工場の夜景海から眺める「四日市コンビナート夜景クルーズ」が観光客からの人気を集めています。また名古屋と近いため、通勤のベットタウンとしても人気なんですね。
「よっかいちBAURA」プロジェクトの目的は、そんな四日市で暮らす市民のためのウエルネスな街づくり。四日市港と街中心部をつなぐ賑わいを創出し、親子が遊び・散歩し、市民ランナーが走り、海では休日ぶSUPを楽しむ人がいる…そんな街を作り出そうとしているんです。
ベルデが担当した「納屋運河の水路でSUP体験」も、もちろん四日市市民を対象としたプログラム。抽選で選ばれた市民の方々が安全に海辺でのSUPを楽しめるよう、半年以上前から準備はスタートしました。
6月にはプロジェクトスタッフをお客さま役に他のガイドとともに予行演習を行い、SUPが初めての方への事前レクチャーから、実際のコースでのSUP体験を実施。安全性に問題がないか、市民の方が安心して海SUPを楽しめるかどうかをしっかりチェックしました。
そして迎えた本番では、5回のツアーガイドを任されました。ベルデも現場で担当し、11歳から65歳まで多彩な顔ぶれのSUP初心者・初級者の方々を、水路を中心としたコースへとご案内することができました。
ツアーを引率して興味深かったのが、四日市市民であっても四日市港の産業遺産を知らない方が多かったこと。ツアーでは末広橋梁や相生橋といった魅力ある景観へとご案内することで、市民の方々に街の魅力を再確認いただけたのではと感じています。
ツアー中には、橋や遊歩道からランナーやウォーカーが私たちを覗き込み「抽選外れたんです~。参加したかったです!」と声をかけてくれることもしばしば。普段は大台町で観光客を対象としたツアーをしているベルデにとって、市民の関心が高い四日市の様子はとても興味深く、市民のウェルネスとしてのSUPの可能性を感じさせてくれました。
こんなふうに、ランニングや散歩と同じレベルでSUPを日常的に楽しむ街の人々が、余暇には大台町のような自然豊かなロケーションでのSUPを楽しみに来てくれるような流れができたら素敵ですよね! 日本各地の都市にこのような取り組みが生まれると素晴らしいですし、ベルデの経験が役立つことができればお手伝いしたいと考えています。
JTBが主催するガイド育成プログラムの講師を担当
続いては、講師活動のご報告です。昨年は農業高校での講演会に呼んでいただいたベルデですが、今年はJTBさんが県から委託を受けて開催する三重県ガイド育成プログラムに参加させていただきました。
このプログラムでは、三重県内でアウトドアをコンテンツにビジネス実績のある事業者が5名登壇。ベルデもその一人として全3回のオンラインイベントに参加し、三重県の観光事業者に向けて講演したのち対談的な形でトーク。農業高校での講演会でもお話しした、魅力的なプログラムを作るためのマーケティングの大切さや、また料金設定の考え方や保険の話も含め、安全なツアーを行うために必要なことなどをお話しさせていただきました。
参加者のお話を聞いていると、アクティビティの魅力は伝えられても、地域の魅力の伝え方に難しさを感じていたり、これはベルデもですが、次代を担う若手の育成への悩みを皆さん抱いているのだなあと。今回参加された方々と広域で繋がって、助け合えればなと感じました。
また今回のガイド育成プログラムでもお話させていただいたのですが、どんなビジネスであっても安かろう悪かろうの商品では一時的な利益にしかつながらず、ひいてはその商品の価値や信頼を損ねてしまいます。
特にベルデのようなアウトドア事業は、自然を相手にしたビジネスですからリスクマネジメントは最重要な要素です。すべてのガイドが常にトレーニングに努め、ガイド資格を有していることはもちろん、安全に楽しんでもらうための現場対応だけでなく、備品の安全性の担保、適正な賠償責任保険加入、危機対応マニュアル・運行規定などフローの徹底、協会の公認校スクールとしての取組、他の湖面利用者や漁業関係者・地域住民と安全に共生できるツアーの催行、自然環境を守ること。言葉にしちゃうと説教くさいし、お金も時間も必要な要素ですが、当たり前の義務であり、ベルデを選んで来てくれるゲストへの誠意でもあると考えています。
安全なSUPツアーを開催するために
何だか真面目なお話ばかりになってしまいましたが、ベルデが今回ご紹介したような出張イベントや講演会へのお声がけを頂けているのは、こうした安全への取り組みを大切にしていることを評価いただいてのことではないかと感じています。
実際SUPについては、近年流行したばかりのアクティビティのため、利用者の増加に比例して事故も増えています。
その状況を問題視して2021年からスタートしたのが「SUP安全対策プロジェクト」です。これは全国のSUP関係7団体および、海上保安庁やスポーツ庁、水産省、国土交通省などの関係省庁が集まり、カヌー・SUPフィッシングに対する安全啓発活動について議論しているもの。
またこの会議から出された「SUP安全推進宣言」に取り組むツアー会社やSUP用品販売ショップには、宣言マークのステッカーが貼られています。
ベルデもこのプロジェクトの推進団体であるJSPA(一般社団法人 日本セーフティパドリング協会)から認定を受けて、このステッカーをVerde OUTODOOR BASE貼っています。
皆さんも、お店やツアーを選ぶときの目安として、チェックしてみてくださいね。
アウトドアの初心者から上級者までさまざまなフィールドを楽しむことができる三重県大台町。ひとりでも多くの人がスポーツジムへ行くような感覚で何度も訪れたいと思ってもらえるエリアになると嬉しいです。
アウトドアレジャーやスポーツがだれにとっても身近なものとなり、豊かな自然からエネルギーをもらうことで幸せな人生を送れますように。そして、私たちのガイドは、このアウトドアライフが「お仕事」になるような活動を続けていきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
“観光×アウトドア”を提案する旅行会社「Verde(ベルデ)大台ツーリズム」代表。 SUP・カヤック・登山ガイド → 起業 → ゲストハウス「宿屋まてまて」&「まてハウス」運営。このブログは「アウトドアライフをお仕事に」をテーマに発信します。