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JOLC(アウトドア・リーダーシップ・カンファレンス)に参加してきました

登山やパドルスポーツといったアクティビティガイドを仕事にしているベルデですが、それも「アウトドア業界」のほんの一部。今回は、広くアウトドアを思考できたカンファレンスの報告です。

JOLCって? カンファレンス概要

Japan Outdoor Leadership Conference(JOLC)は、アウトドア活動に携わる教育者・指導者・行政・産業界が一堂に会し、ウィルダネス教育・リーダーシップ育成・環境倫理・安全管理・地域振興に関する最新知見を共有する場として開催されています。自然体験の価値を社会に広げ、持続可能なアウトドア文化と産業の発展を目指すとともに、次世代を担う指導者の育成やネットワーク形成を促進することを主な目的としています。

2026年のテーマは、「未来につなげる:アウトドア×人づくり」。大阪舞洲にあるThe Day Osaka にて6月18日~20日の3日間参加してきました。

セッション&キーノート

カンファレンスでは、多くのワークショップ・セッション・エクスカーションが計画されています。そのほんの一部をメモ。

野沢温泉100年の意志を受け継ぐ「一人多役」・マルチキャリアを実践し、絶対的価値化をされているお話。

純粋な「初期衝動」から生まれるキャリア: 名もないスキー選手から始まった活動の原点は、シンプルに「自分の“好きだ!”」という気持ちを大切にし、徹底的に追求してきたこと。

活動のレイヤーの広がり: 「好き」を妥協せず突き詰めるプロセス自体がエネルギーとなり、新しい外遊びの創出、ギアの開発(機能性とデザイン性の両立)、精度を高める環境(フィールド)を次世代へ守り繋ぐ動きへと必然的に広がっていった。

次世代へのメッセージ: 自分の「好き」を大切にする気持ちこそが、アウトドア業界を担う次の世代を惹きつける最大の魅力になる。

テーマ: 大阪・舞洲における自然共生型リゾート(The Day Osaka)の10年

取り組みの背景と社会課題:

赤字公共施設の再生: 行政から引き継いだ旧施設は赤字が続き、魅力的な活用策が不足。特定の大型フェス時以外に人が留まらない構造からの脱却。

人工島でのゼロからの自然再生: 「埋立地・ごみ処分地=土壌が乏しく無機質」という都市の負のイメージ。生態系の欠如した土地にいかに持続可能な都市型緑地を保全・育成するか。

地域連携と回遊性の不在: 近隣施設(スポーツ施設やテーマパーク等)との横の連携が希薄で、エリア内での回遊が生まれず舞洲全体の持続可能性に寄与できていなかった。

長期継続による定量成果と社会的モデル性(これまでの歩み):

10年間の成長インパクト: 売上は約2倍、来場者数 、BBQ利用2倍超へ拡大。

環境面での成果: 自然共生サイト認定(2.17ha)。生物多様性の推移として、野生動植物種数が2021年の75種から2026年には96種へ、昆虫種数が25種から62種へと増加(トノサマガエルや希少種ゴマダラチョウ等の生息を確認)。

「人工島でも自然共生は可能」。都市近郊型 Nature Positive(ネイチャーポジティブ)観光モデルとして、公共施設再生・観光・環境の先進事例を証明した。

地域を長く続けるための「導線」と「切り売りを極める」戦略

地域における信頼とハブ化: 「この業界を長く続ける中で、一番大事にしているのは『導線』。『石鎚エリアで困ったことがあれば、この会社に聞けば何とかなる』そう思ってもらえる状態をつくること」。

集客の仕組み(逆算の思考): 人が来ていない自分のエリアにいくら広報でお金をかけても人は動かない。それなら、多少遠くても人が集まる場所(例:関空からの無料シャトルなど)から連れてくる仕組みを考える、いわゆる「逆算」が大事。

「切り売りを極める」時間消費型ビジネス: お客様は体験ではなく「時間」を買っている。そのため、20分から5時間までの本格ガイドまで、その限られた時間に対応できる商品を揃える。食っていく(シーズン性を超える)ために「春は遍路、夏はキャンプ、秋は登山、冬は気球」と、季節ごとに地域の魅力を磨き、自然条件が弱いエリアでも十分に食べていける形を構築する。

自転車×野外教育の融合!WEAスタイルで巡る大阪エクスカーション体験

アクティビティに「教育」を落とし込む

野外教育のフレームワークをベースにした「WEAスタイル・サイクリング」のエクスカーションに参加しました。一見、都市型のサイクリングツアーでありながら、その根底には「教育」と「ガイディング」を融合させる緻密な設計があり、今後のプログラム開発において大変勉強になる時間でした。

「6+1」の判断力

プログラム中のレクチャーでは、野外指導者の国際基準であるWEAのコアカリキュラムが共有されました。

  • リーダーシップ
  • 野外生活技術(アウトドアリビングスキル)
  • 遠征計画(トリッププラン)
  • 環境スキル(LNT環境倫理)
  • 安全管理(リスクマネジメント・WMAの視点)
  • ファシリテーション(指導法)

これらの要素を統合する土台こそが「判断(ディシジョンメイキング)」。自転車を使いながら、参加者自身にこれらの要素を意識させ、主体的な判断を促す仕掛けが随所に散りばめられていました。

ストーリーで五感を刺激するコース設計

ツアーは単なる移動ではなく、地域の歴史から現代のランドマークまでをストーリーで繋ぐ見事な構成でした。

  • プランニング: 地図を広げてルートと現在地を全員で確認し、主体的判断を促す。
  • 都市インフラの体験: 自転車ごと公営の「渡し船」に乗り込み、ツアーに冒険のアクセントを加える。
  • 歴史文学の導入: 難波江の芦を詠んだ百人一首のカードを取り入れ、深い学びを演出。
  • 現代との対比: ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を訪れ、過去から現代への都市の移り変わりを体感。

これからのガイディングへのヒント

どんなフィールドや身近なアクティビティであっても、WEAの「6+1」と「判断力」を軸に据えることで、質の高い教育プログラムへと昇華できることを体感しました。「楽しかった」の先にある、参加者の非認知能力や安全意識を育むヒントが詰まった素晴らしいツアーでした。

JSPAの営業・LNTの総会出席

今回のJOLCを通じて、第一線で活躍するアウトドア関係者や、同じ志を持つ同業の皆様とつながることができました。

こうしたネットワークは、日々のVerdeの業務への大きな活力となり、私自身の新たな原動力となっています。何よりも、「本気でこの業界をより良くしたい」「アウトドアをビジネスとして確立させたい」という高い志を持った方々との交流は、計り知れない刺激と学びをもたらしてくれました。

アウトドア業界の未来を拓こうとする熱量に触れ、非常に濃密で充実した3日間でした。

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