ベルデでは2022年より大台ヶ原の登山ツアーを始めました。大杉谷登山を楽しまれた方の次のステップとして、または入山に申請が必要な西大台を筆頭に特別な大台ヶ原を満喫したいというツウなお客さまに向けた、ベルデならではの企画です。6月に催行したこのツアーの様子をご報告します!
はっきり言って、自信しかないツアーです! 気合を入れてご紹介しますね
★★★この記事のもくじ
大台ヶ原ってどんな山?
大台ヶ原は、日本百名山および日本の秘境100選に選ばれている山で、吉野熊野国立公園の特別保護地区に指定されています。またベルデの登山ツアーでお馴染みの「大杉谷」とも繋がっていて、「大台ヶ原・大峰山・大杉谷ユネスコエコパーク」にも認定。守られるべき自然と人と共生しながら発展した歴史をもつ場所です。
→大台ヶ原・大峰山・大杉谷ユネスコエコパークについてはコチラ!
屋久島と並ぶ多雨地帯である大台ヶ原は、湿潤な気象条件が生み出す独特の自然環境が魅力の山です。2つのエリアに分かれており、一つ目の東大台は、三重県最高峰の1,695mから熊野灘を見下ろせる「日出ヶ岳」や、谷に突き出したスリル満点の岩場「大蛇嵓」などの展望地があるエリア。もう一方の西大台は、原生的な森林が広がり自然環境保護のために1日の入山者数が限られているエリアです。
一言でいえば「大台ヶ原=大杉谷に負けない秘境」ってことです!
ベルデの大台ヶ原ツアーの特徴
西も東も秘湯も制覇する上級者ツアー
ベルデの大台ヶ原ツアーでは、事前申請がないと入山できない西大台はもちろん、ガイドツアーならではの「こんなところがあったの!?」と驚くこと間違いなしのめずらしいルートや秘湯へとご案内します。
大台ヶ原は車でのアクセスが便利なため、東大台エリアを歩いたことがあるという人は多いでしょう。しかしベルデのツアーは、そんな誰もが行けるようなものとは一味違います。実際、今回のツアー参加者さまも「まさか大台ヶ原でこんな新発見があるなんて!」と驚きを隠せないご様子でした。
スペシャルルートをご案内できるのは何故か。それはガイドがすごいからなんです!
大杉谷山岳救助隊長・森ガイドがご案内
ベルデの大台ヶ原ツアーをご案内するのは、大杉谷山岳救助隊長として活躍されている森 正裕さん。ベルデの人気登山ツアー「大杉谷スペシャルルート3days」でもお馴染みのベテランガイドです。
森 正裕プロフィール
大杉谷山岳遭難救助隊長/熊野大杉谷ガイド協会・大台ヶ原ガイド協会・宮川森林組合所属
20代・30代を大杉谷山中の山小屋支配人として過ごし、魅力的だけど、滑落事故もある危険な大杉谷登山道を山岳救助隊員として守ってきた人物。現在は救助隊長を務める傍ら、環境省鳥獣保護法管理人、環境省自然公園指導員としても活動。大杉谷~大台ケ原、熊野古道、紀伊半島の山すべてを知り尽くしたガイドであり、NHK等の登山番組への協力・出演多数。
救助隊や環境省から鳥獣保護などの仕事を請け負えるほど、大杉谷・大台ヶ原を歩き尽くした・知り尽くした森ガイド。だから一味違う大台ヶ原ツアーでも、皆さんを安全にご案内できるというわけなんですね!
大台ヶ原ツアーの様子をご案内
せっかくなので、6月に催行した「大台ヶ原2days」の内容を少しご紹介します。
まず今回の旅程がこちら。
なお、このツアーは春秋の年2回催行予定ですが、ルートは変わる場合があります。あくまで今回のツアーの紹介であり、参考までということであしからずご了承ください。
大台ヶ原2days 旅程表 |
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【1日目】 近鉄大和上市駅(9:00集合/9:10出発)=川上村役場駐車場(9:30出発)=大台ケ原ビジターセンター・・・東大台散策(大蛇嵓他・昔使われていた珍しいルートを含みます)・・・心湯治館 ※歩行距離約8km,歩行時間約5.5時間 お食事:朝×昼×夕〇 宿泊:心湯治館 |
【2日目】 心湯治館・・・西大台立入レクチャー・・・西大台散策(神秘的な森林)・・・小処温泉=17:00川上村役場駐車場=17:30近鉄大和上市駅 ※歩行距離約12km,歩行時間約7時間 お食事:朝〇昼〇夕× |
では、詳しい内容をお伝えします!
大台ヶ原ツアー 1日目
1日目は、東大台をゆったりと散策します。
今回は大杉谷山岳救助隊⻑の森ガイドならではのめずらしいルートを通って大蛇嵓へ!
ルートは参加者さんのレベルや東大台経験値を加味してツアーごとに変更するので詳しくは紹介しませんが、林業が盛んな時代に使われていた海からの作業道などもご紹介しつつ、知識豊富な森ガイドならではの大台ヶ原の植生や地形・歴史に触れることができる…とだけご紹介。
森ガイドは以前、幻の森林鉄道をたどるNHKの取材にも協力。かつて大台ヶ原には、切り出した木材を運ぶ森林鉄道が走っていたのですが、そのルートやNHK取材秘話についてもお話しいただけ、とても面白かったです。歴史好きにはたまらないんじゃないかな?
なお今回のツアーは、車に余分な荷物を預けられるため、リュックを軽くして山歩きを楽しんでいただけるのもポイント。下界は夏日だったこの日でしたが、標高1600mを超える大台ヶ原は長袖や羽織物が必要な涼しさ。初日はさほど汗をかくこともなく、大台ヶ原の特別ルートを満喫。一般のお客さまが少なくなった時間を見計らって訪れた大蛇嵓を満喫することができました。
山歩きを終えたこの日の宿泊は、大台ヶ原にある「心・湯治館」さん。猪鍋やあまごの塩焼きなどの夕食に、山中でありながらお風呂も楽しむことができる宿です。
夕食後は、三重県大台町産のチップを使った燻製チーズをおつまみに、森ガイドからのプチ講習会。「次回は地図読みの講座がいい!」と参加者さんからリクエストをいただいたので、考えておきますね!
チーズに合わせてワインを持ってくる予定がド忘れ。このツアー最大の失敗でした!
大台ヶ原ツアー 2日目
2日目はまず西大台散策からスタート。西大台はぐるっと一周して出発地点に戻るルートが一般的なのですが、ベルデのツアーではゴールを別にご用意。車を回してお迎えするので、この日も車に余分な荷物を預けて身軽に山歩きを楽しみます。
西大台は日本で初めて「利用調整地区」に指定されたエリアです。
入山には事前に申請が必要で、ビジターセンターで事前講習を受ける必要があります。
詳しくはこちらの2分半ほどの動画をご覧ください。
なおこちら↑は秋の風景ですので、春夏の西大台の景色をご覧いただくならこちら↓がおすすめ。
屋久島と並ぶ多雨地帯であるため、苔むす岩や倒壊した古木の雰囲気はどこか屋久島に通じる物があります。植生としてはウラジロモミ-ブナ群落が主となっており、原生的な森の雰囲気を体験いただけます。
ベルデのツアーでは、森ガイドが大台ヶ原の成り立ちや国立公園や利用調整地区になるまでの歴史、植生の特徴や地理的特徴を楽しく解説。森ガイドの知識力爆発で、植物がお好きな参加者さんも大満足なご様子でした。
ここまで詳しくかつ面白く話ができるガイドさんはなかなかいないのではないでしょうか。…ベルデもいつかはこの域に達せねばと思っているのですが、参加者さんと一緒に「へー!」「ほー!」「はー!」と感心してばかりいるので森ガイドに怒られています(笑)。
幻想的な風景にうっとりするだけでなく、ブラタモリ的な知的満足感も味わえるツアーなんですね!
また、よく「五感で癒される」なんて言いますが、大台ヶ原の素晴らしさには「聴覚からの癒し」もあるのではないかと思います。というのも、歩いていると、ずーっと鳥のさえずりが聞こえ続けるからです。
大台ヶ原には90種類以上の鳥が生息しています。
キツツキ科のアカゲラから、ウグイス、オオルリ、ゴジュウカラ、コマドリ、ルリビタキ…など、さまざまな鳴き声を聞き分けながら歩くのも面白いかもしれませんよ。
下はツアー中にスタッフが撮影した動画ですが、鳥の声がこんな風に響いているんだというのを感じてみてください、木を突いているドラミングが最後に聞こえますよ
最後は秘湯で疲れを癒して…
西大台散策を4時間ほどかけて満喫した後は、秘湯小処温泉への下山ルートへ向かいます。
約3時間かけ1000mほどを下っていくため、事前に足のコンディションはしっかり調整いただくのがおすすめ。大台ヶ原トレッキングだけでなく、最後にしっかり登山も満喫していただいた後は、温泉で疲れを癒してください。大和上市駅までベルデがお送りしますので、ビールを飲んじゃっても大丈夫。登山の後の温泉って最高ですよね!
大台ヶ原ツアーの今後の催行について
さて、ベルデの大台ヶ原ツアーの様子はいかがでしたでしょうか?
参加いただいた皆様には「ベルデさんのツアーは毎回アットホームで楽しい。ガイドとベルデの掛け合いが漫才みたい」「森ガイドの知識が凄すぎる!」「西大台がメインのつもりだったけど、行ったことのある東大台でもこんなに楽しめるとは思わなかった」「登山ツアーなのに2日ともお風呂に入れて嬉しかった」などの感想をいただきました。
まさに「森ガイドと西も東も秘湯も」な山旅を満喫いただけたのではないかと思います。
ベルデの登山ツアーは、定員7名にガイドとスタッフの2名がつく少人数制。皆さんの様子を見ながらしっかりおもてなしできるアットホームなツアーであることに誇りを持っています。
なおこのツアーは、年2回春秋に催行予定。
大杉谷は滑落などの危険な箇所もありますが、大台ヶ原は安全にご案内できるので、足腰に自信があれば登山初心者やシニアの方でもご参加いただけると思います。
皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
“観光×アウトドア”を提案する旅行会社「Verde(ベルデ)大台ツーリズム」代表。 SUP・カヤック・登山ガイド → 起業 → ゲストハウス「宿屋まてまて」&「まてハウス」運営。このブログは「アウトドアライフをお仕事に」をテーマに発信します。