三重大環境リテラシー学

SUP カヤック

「自然環境リテラシー学」って?大学生とアウトドア三昧

2020年秋から2021年春にかけて、三重大学の学生・先生たちと三重県大台エリアにて “自然体験・自然環境人材育成プログラム開発などの調査・研究” = 自然環境リテラシー学を実施しました。

最終回の3泊4日キャンプを終えて、少し時間が経ってしまいましたが、ベルデにとってもとても素晴らしい経験だったので、ブログに綴ります。

『自然環境リテラシー』とは、三重の豊かな自然環境を総合的に理解する能力、自然環境が私たちに与える影響を理解し、同時に私たちが自然環境に与える影響についての基本概念を理解する能力である。そして、理解したことを他の人にわかりやすく正しく伝達し、三重の自然環境資源について広い知識を活用して、魅力の発信、環境を楽しみ、守り、持続的に保護していく、等、責任のある行動をとれることである。

※リテラシーとは、「読み書きの能力、識字能力、読み解き活用する能力」のことである。

2020年三重大学環境リテラシー学要項より

憧れのリテラシー

三重県大台町では初のリテラシー学開催ですが、過去2018年・2019年には、尾鷲や南伊勢をフィールドに4泊5日のカヤックキャンプを授業の一貫として実施しています。

私たち三重のアウトフィッターのリーダーとも言える小山ハウス森田渉さん・サニーコーストカヤックス本橋洋一さん・アルガフォレスト柴田丈広さんを先生に、海に放り込まれてアウトドアにもみくちゃにされる5日間。そして、三重大学からは坂本先生・山本先生、総監督のようなお立場でアウトドア界の重鎮・内田正洋さんが見守っている。私にこどもがいたら、絶対体験させたいって思ってしまう希少な授業です。

過去2年のベルデの関わりは、この5日間のキャンプの半日だけ「アクティビティ」としてSUPガイドツアーを提供する‥ということ。キャンプ道具・移動手段としてのカヤックと、アクティビティとしてのSUPの違いを私自身も改めて学び伝える機会でもありました。

夜のアウトドア講義では、ガイド陣からのレクチャーが。リスクマネジメント・冒険の話・海気を読む…学生さんにとっては0が1になる、大学生にとっては「こんな大人、まわりにいなかった」…というすべてが新鮮なお話だと思います。大人の私でもそうなんだから感度が高い大学生にとっては心が揺さぶられる体験・経験談だと思います。私が特に印象に残っているのは、内田さんの「君たちには、生まれてきた責任というか、任務がある」という言葉。

海はないけど、いつかこんな授業をベルデのフィールドの大台でも…と思っていた憧れのリテラシー。2020年秋、急に大台開催のお話しが進み、全5回10日間(2020年はコロナ感染拡大の影響で、大人数での5日間の合宿形式でなく、分散型となりました)、学生さんと大台のアウトドアでともに学ぶ機会を与えてもらいました。

大台町“森にとまる・水とあそぶ”Ⅰ 「秋の大台でSUPと大杉谷を!」

大台の魅力は、学生さんたちがこれまで学んでいる海の源流である・豊かな山河資源。多くのアウトドアファンを魅了している日本三大峡谷のひとつ「大杉谷」と、清流日本一に選ばれている「宮川」の存在を伝えなければ。ベルデは大台の自然をメインフィールドにアウトドアの旅行ツアーを組んでいる観光事業者なので、「森にとまる・水とあそぶ」をテーマに、まずは、この自然を目いっぱい体感し、楽しんでもらおうという2日間を計画しました。

まてハウスの敷地が第1回の宿泊場所です

【森にとまる水とあそぶ1日目】

■電車を乗り継ぎ、Verdeのゲストハウス「まてハウス」に集合

■リテラシーの先輩スタッフサポートのもと、テント設営・・・1人用のテントを設営。コロナ禍により、このリテラシー学はすべてテント泊・アウトドアでも孤食がルールです

宮川SUP・・・11月終わりでもまだまだ楽しめるSUP。元気に水に落ちながら楽しそう。

■夜は「まてハウス」敷地内でキャンプ・・・美しい星空。今回は大台で初キャンプということで、トイレ・水場が近くにあるまてハウス敷地内でテント泊。

【森にとまる水とあそぶ2日目】

大杉谷登山・・・千尋滝までの往復6kmをピストンしました。これが初の登山という学生さん。絶景に続く絶景を楽しむ余裕はあったかな?

大杉谷登山センター職員より「入山協力金」のお話・・・富士山やアルプスとは違う意味合いをもつ入山協力金について、導入した職員さんの想いを知ります。

奥伊勢フォレストアにて温泉・・・この温泉、定番のお楽しみになったみたいです。実はここも地域の大切な観光拠点。今後の何度も学生さんと訪れます。

学生さんたちにとってどんな2日間だったか…? さすが「リテラシー」を学んでいるということで、noteに記録してくれています。学生さんの生の声をぜひ読んでみてください。

地域の自然をどう残していくのか

このリテラシー学を選択する学生さんは、ほとんどが1年生です。入学と同時にコロナ禍となり、オンライン授業が続き、リテラシーで初めて同じ学部の友人と出会う、そんな学生さんたちの未来の活力になる時間となると嬉しいな、と思って計画した初回。若者の教育現場に関わらせてもらう、ということで、何か学びを‥とかテーマを…と悩んで考えながらのスタートでしたが、まずは、ベルデで提供いしているFUNを与えてみよう。

そして、スパイスとしての気づきを…。大杉谷では、危険な登山道であることを体感し、安全登山の活動や環境保全協力金についての学びに繋げてもらう機会になったら、と時間をとりました。登山センターの活動話を聞いたあと、「今、学生さんから頂くために話したのではないから」という職員の断りをよそに帰りの電車賃を気にしながら1000円の環境保全協力金を払っていく行動に、大台の関係者は感激。

大人として私たちがどう自然に関わっていくべきか、地域の自然を彼等以下の世代にどう残していくのか、責任ある行動でこの感激を返したいな、と思っています。

初回はここまで。次の記事では、第2回・3回のリテラシー学の報告です。

※このブログに掲載している写真は、三重大自然環境リテラシー学参加学生・スタッフ・先生たちの撮影です。


アウトドアの初心者から上級者までさまざまなフィールドを楽しむことができる三重県大台町。ひとりでも多くの人がスポーツジムへ行くような感覚で何度も訪れたいと思ってもらえるエリアになると嬉しいです。

アウトドアレジャーやスポーツがだれにとっても身近なものとなり,豊かな自然からエネルギーをもらうことで幸せな人生を送れますように。そして,私たちのガイドは,このアウトドアライフが「お仕事」になるような活動を続けていきたいと思います。

最後までお読み頂き,ありがとうございました。

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