山岳四団体からのメッセージ
COVID-19 感染拡大,緊急事態宣言の全国拡大を受け,山岳四団体から声明が出されました。
ベルデの登山プログラムは,日本山岳ガイド協会(JMGA)所属のガイドが提供するサービスで,もちろん,この声明の前に休業をとっています。
今回のこの声明は,ガイドツアーなどのサービスだけでなく,登山愛好家すべての方へ向けたメッセージです。
今,山に関わる私たちは,この声明にあるように,皆様へは厳に自粛をお願いし,事態が収まった来るべき未来の準備をすることができることと考えています。
2020シーズンは「静かに登山道整備」がスタート。
ベルデの山メインフィールドの大杉谷登山道には,「大杉谷登山センター」という安全登山を啓発し,登山道の維持管理をしている公益社団法人があります。少ない職員数で,渓谷沿い・多雨地域のため傷みやすく,死亡事故のリスクもある登山道を守っています。
先日のまとまった雨で,桃の木山の家近くの登山道が土砂で埋まったとの連絡を受け,登山センターさんと一緒に登山道整備に行ってきました。久々の整備同行に,センター職員さんの細やかな道への気遣いと,職人のような整備技術に感心・・・。
久々にからだに酸素をめいっぱい取り込んで,とっても気持ちのいい1日でした。アウトドアガイドは,今,体力があり余っているのです。
日本一の多雨地域大台ケ原・大杉谷。この渓谷の登山道維持はとても忍耐強い作業を伴います。雨の後は山から水があふれ,谷に流れこみます。山は含水量がオーバーすると,土砂と時には木も一緒に流れ,登山道を覆ってしまうのです。
現場その一
雨が降ると崩れやすいスポットはたくさんありますが,ここも毎回。桃の木山の家近くです。工事で広くした登山道のにたまった土砂を取り除く作業。手で山側から大きな石を谷に落とし・・・
ジョレンを武器に・・・ちょっと分かりにくいですが,貯まった土砂を整地し完成。今回は「4人作業だったので早い」という登山センターさんの感想がうれしかったです。
現場その二
ここは千尋滝近く。現場一の作業が早く終わったので,ここも整えることができました!土砂の流れ止めをつくる作業は冬の間にセンターさんが進めています。
登山道に落ちている倒木を集め,流れ止めを安全に。ここにたまった土砂で道が造られます。
植林もしてる!
雨が多い登山道。谷への土砂をでいるだけ止めるため,山側へ植林もしています。今回はこのユズリハ・・・次登る時についていることを楽しみに…。
桃の木山の家のスタッフさん
桃の木山の家のスタッフさんも,作業その一にご一緒してもらえました。スタッフの近ちゃんは,私たちと同じ,熊野大杉谷ガイド協会の仲間でもあります。
お昼ご飯を山小屋で食べさせてもらって,近況報告。山小屋には電波が届かないので,1週間に1回の新聞とラジオが情報減。1週間前のCODIV-19の感染状況を比較しての今にかなり驚いていました。
大杉谷登山道中の山小屋,桃の木と粟谷小屋,どちらも4月17日~5月6日まで休業となっています。桃の木山の家のスタッフさんは山へ残り,お客様を迎える準備を整えているそうです。
こうした山小屋さんや,登山センターさんが私たちの安心安全登山を守ってくれている・・・そのなことを改めて思い出す自粛期間になるといいな,と。
登山道を維持していくには,こうした山に関わる人たちの存在と努力はもちろん,なにより必要なのは登山者です。今回整備した箇所も,登山者に踏み固められて初めて道になります。
みんなで自粛を厳に守り,1日でも早くコロナウィルスの脅威をなくし,観光や登山を楽しめる日がもどってきますように。
アウトドアの初心者から上級者までさまざまなフィールドを楽しむことができる三重県大台町。ひとりでも多くの人がスポーツジムへ行くような感覚で何度も訪れたいと思ってもらえるエリアになると嬉しいです。
アウトドアレジャーやスポーツがだれにとっても身近なものとなり,豊かな自然からエネルギーをもらうことで幸せな人生を送れますように。そして,私たちのガイドは,このアウトドアライフが「お仕事」になるような活動を続けていきたいと思います。
最後までお読み頂き,ありがとうございました。
“観光×アウトドア”を提案する旅行会社「Verde(ベルデ)大台ツーリズム」代表。 SUP・カヤック・登山ガイド → 起業 → ゲストハウス「宿屋まてまて」&「まてハウス」運営。このブログは「アウトドアライフをお仕事に」をテーマに発信します。